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讃岐の伝統工芸品
もち米を糊として使った染物
香川県の伝統工芸品「讃岐のり染」は日本で生まれ、日本人の知恵により長い年月をかけ改善・工夫されてきた世界でも類をみない技法として知られています。
瀬戸内の気候は染物に適しているとされ、江戸時代には高松城の紺屋町にたくさん染物屋がありました。そこでは、生活に密着した野良着や着物が染められ、さらに、暖簾(のれん)や幟(のぼり)・幕なども作られてきました。
染色の手法としては、もち米で作られた防染のための糊を筒描きや型紙により模様をつけた布地に置き、藍がめにつけたり、刷毛で引染めて染め上げます。糊を置いた個所の染料が混ざり合わないようにすることで模様を染め上げるのが特徴です。現代の技法とは異なった趣きや味わいがあります。
process
もち米・石灰・食塩・ぬか・水を混ぜたて焚いた糊を筒に入れて置く方法を筒引き、型を使って置く方法を型置きと言います。柔らかすぎず固すぎず、ちょうどいいぐらいの糊の硬さで糊を生地に染み込ませて、ちょうどよく乾燥させないと縁がぼやけます。糊の分量、乾燥するスピード、糊を置くスピードなどちょうどよく作業を進めないと納得がいくものができません。
糊で染め分ける準備ができたら、指定された色を配合して作ります。生地と樹脂染料、反応染料と用途で使い分けをしながら刷毛で染め分けます。染める作業は2人ですることが多いですが、できるだけ色ムラができないように素早く、片方の人の作業スピードや染めている場所を見ながらスムーズに染められるように注意しながら進めます。
祖父の時代から「お天道さんに見てもらうと発色が良くなる」と言い、天気がいいと天日干しをしています。気候が良く変わる季節は天気を見ながら日程を組みます。色が偏らないように、伸子という道具で生地を引っ張り、影にならないように注意しながら乾かします。乾いたら、色止めとして膠(にかわ)を溶かし刷毛でコーティング。乾燥させると色が定着します。
水槽に水を溜めてその中に染めた物を漬けます。約3時間で糊がふやけて落とせる状態になるので、糊を水で洗い流します。この時に糊が残らないように糊置きした場所をできるだけ丁寧にナイフで撫でて落としたり、水で流します。綺麗に糊置きした箇所が洗い流せたら、そのまま乾かして完成です。
縫製も染匠吉野屋謹製です。歌舞伎のぼり・半纏(はんてん)・神社の幕・幟(のぼり)・油単(ゆたん)など、すべて染めから縫製まで自社で行っています。自社と言っても縫製は2人ですが(笑)。細かい指示を出して細部までしっかり縫製してます。できるだけ長く使えるように、破れにくいようにと工夫しながら、常にイイモノを作れないか試行錯誤しています。
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